【流行】流行が生まれる仕組みが変わった!
前回は秋葉原での視察で町の活力がかつてほどなくなったという話。ベストヒットの商品番付から、何か日本は流行を生み出す力がなくなったのではないか?という話をした。
いずれも私が感じた印象に基づいて書かせていただいたので、少し違うぞという方もおられたかもしれない。
さて、なぜ私が『日本人の流行創造力がなくなった』と感じたのか?
個人的な話だが、私は真面目なのか古い人間なのか、ブログに書いて皆さんにお話する以上、そこに明確な分析なり、理由がなければならないと思う。
そこでここ数日ブログを書く手を止め、このテーマをじっくり考えた。ブログとはただ書けばいいのではない。そこに必死に考えるというプロセスが加わる。これがまた意味があるのだろう。
さて正直言ってこの問いは難問だった。主観的な印象に理屈づけするのは至難だからだ。とはいえ色々考えた結論が出た。答えはこうだ。
私の個人的な見方だが日本は今『コピー&ペースト文化』なるものに犯され、流行を創造する力がなくなったのではないかという仮説だ。
コピー&ペースト文化ってなんだ?ご承知のようにパソコンなどの世界であるものをコピーして別の所に張り付けるというあれである。
例えば雑誌の記事を書いているとして、ネットで参考になりそうな言葉なりデータがあると、それをコピーして、自分の記事に張り込む、つまりペーストする非常に便利な機能だ。このお陰で図書館通いして、一次データを苦労して調べる必要が一切なくなった。
作家ならば空いた時間をよりいい作品を生み出す時間にまわせばいいわけだ。一面では知的作業の革新だが、反面手抜きになったり、著しく独創性にかけたりするデメリットもある。
しかも、ネット社会になって情報の伝達スピードが異常に速くなったことがさらに拍車をかけている。
ある人がちょっとしたネタを生み出すと、次の人はそれに少しだけ手を加え、コピー&ペーストし、情報を発信する。次の人、また次の人も同じことを繰り返す。
これがコピー&ペースト文化だ。この文化の最大の特徴は、やっている渦中の人たちは決して盗作などしていないし、必ず著作権は触れないでいるつもりなのだが、離れた立場で客観的に見ている人間には皆同じに見えてしまうということだ。
例えばテレビがいまそうだ。朝ズバッでみのもん太がいったことが、フジの小倉さんが特ダネでコピー&ペースト。違う局も似たような番組でコピー&ペースト。11時台でもピンポンはあるし、関西などは午後2時から6時前までは、このコピー&ペースト番組が続き、夜も古舘さんから始まってコピー&ペーストが続く。
ひどいのはコメンテーターだ。朝出ている人が昼も夜も違う番組に出ていて、ちょっとだけ言い方を変えてコピー&ペーストしている。
私はこのコピー&ペースト文化が、今の中身のともなわない上辺だけの『流行』を生み出し増幅させ普及させているメカニズムだと思っている。
かつては情報が流通する過程で必ず体験や見聞を通じて、その価値を吟味し評価をしながら、広がったものだ。
つまり情報という記号だけが一人歩きするのではなく、必ず実態そのものにに触れ、頭で必死に考えて評価したものだ。だが今はそれがなくなった。
ランドマークも電子マネーなどヒット商品番付に載っているものは皆、マスコミで取り上げられ話題十分だ。しかし実際に現地に行ってみたり、体験し、使ってみてその良さや価値を実感した人がどれだけいただろうか?
私は流行という新しい価値や情報の創出から始まって、それを受け取ったものが吟味し評価し、さらに伝達されると昔ながらの、『流行創出メカニズム』がコピー&ペースト文化によって、全く変わってしまったと思うのだ。
つまり日本自身のオリジナリティーや独創性、創造性自体は大きく変わってなくても、『流行創出メカニズム』がコピー&ペースト文化によって、全く変わってしまった結果、流行が薄っぺらな話題性だけのものに席巻されてしまったとしか思えないのだ。
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