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2007年7月 5日 (木)

【流行】ウィンナーワルツと本物の流行とは?

今の日本に流行創出力がなくなったのではないか?それは流行を創出するメカニズムがコピー&ペースト文化とかわり、上辺の話題だけが流通するためだとのべた。

 結果として、価値のある実態を離れ記号としての流行が驚異的なハイスピードで一人歩きしだした。また流行の流通速度に人間の創造力がついていけていないのでは?とものべた。

 では究極の流行、本物の流行とはなんだろうか?何がそれを生み出す要因なのか?について今日は考えてみたい。

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 流行について考えるとき私は必ずいつも思い浮かべるものがある。それは、ウィンナー・ワルツだ。

毎年、お正月を向かえると開かれるウィーン・フィルのニューイヤーコンサート。金色の格調高い優雅な会場(ウィーン楽友協会の大ホール)でヨーロッパ中の貴族が集まり、音楽に酔いしれる祭典。

 NHKが放送しているので楽しみにされている人々も多いだろう。特に2002年は小沢征爾が指揮を務め一気に親しみが増した。

 私も小学校の時にカラヤンのレコード全集を買ってもらってからのクラシック音楽のファンなので小沢征爾指揮のものはDVDを何度も聞いた。

美しき青きドナウやシャンペンポルカ、ラデッキー行進曲などヨハン・シュトラウス親子のウィンナーワルツの名曲があでやかに奏でられる。

 1939年12月31日にクレメンス・クラウスの指揮により初めて開催され70年近い歴史を持つ。2大交響楽団として、世界中の人気をベルリン・フィルと二分するこの楽団。カラヤン、メータなど名だたる指揮者が指揮をとったコンサート。

誰が考えても流行とは正反対のクラシックや権威や伝統の権化みたいな存在だ。

しかし、このいかめしいコンサートの大元のウィンナー・ワルツがこの世に初めて現れたとき、今では想像も出来ないほどの『大流行』によって登場したことをご存じだろうか?

もともとアルプスのチロル地方に古くから伝わる民族舞踊「レントラー」の一種がやがて1750年以後から宮廷音楽に入り込む。特にフランス革命後の異様な興奮の中でダンス熱が時代を狂わし、若者たちを狂わせた。

 やがてハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンとなども多くの舞曲を作曲。この流れが音楽の都ウィーンに流入。それまでの古典派音楽のメヌエットなどを凌駕した。

 1814から1815年にかけて行われた、フランス革命、ナポレオン戦争後の世界秩序を話し合うためのウィーン会議。一説によれば、ヨーロッパ各国の国王や皇帝らが一同に会したが、肝心の会議はそっちのけで、毎晩会議の合間には舞踏晩餐会が催されウィンナー・ワルツに熱狂し酔しれたそうだ。

 有名な言葉で「会議は踊る、されど進まず」。まさに文字通りでウィンナー・ワルツは踊る。しかし一向に会議は進まなかったわけだ。

それまで封建的な価値観に縛り付けられていた人々にとって、フランス革命後の自由な空気と、男女が体をひっつけて踊るウィンナー・ワルツがまさにマッチしたのだろう。心にたまっていたガスに火を付け、大爆発したのだ。

これは日本の幕末に大流行した『ええじゃないか』にそっくりだ。お伊勢詣りをするため、方々で『ええじゃないか』と歌い踊りながら、伊勢を目指すムーブメントだ。当時の大衆を熱狂させた。

 このウィンナー・ワルツと『ええじゃないか』ともに共通する点がある。ともに閉塞した時代が終わり新しい時代が始まる。それまでの型苦しさから、自由の息吹を感じとる。これは若者ならずとも世代を越えて大衆の心をわし掴みにしたわけだ。

しかし当時の伝統を重んじる石頭の老紳士たちはさぞ苦々しく思ったことだろう。『最近の若い連中は実にけしからん。男女がみだらに体をひっつけ、ワルツという伝統を無視したいかがわしい音楽に熱狂しおって。』と。

しかしそのウィンナー・ワルツがおよそ200年の時を越えて、ヨーロッパを代表するクラシックで伝統的な価値の一等になったのだ。まさに笑いが止まらないとはこのことだ。流行と言えば、これほどすごい流行もあるまい。

ではこの究極の流行を産み出したものは何か?作り手だろうか?流行の消費者である大衆だろうか?

ここで大事なものは、時代である。時代の胎動や変化が新しいものを生み出す原動力となる。時代の鼓動をとらまえないと真に流行の覇者とはなれないのだろう。

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