« 【経営】松下幸之助告別式秘蔵VTR公開 | トップページ | 【名言】三猿の教えの本当の意味 »

2007年10月18日 (木)

【名言】『見ざる聞かざる』は本当に正しいか?

 日光東照宮といえば左甚五郎の眠り猫とともに、「見ざる聞かざる言わざる」の三猿が有名である。

2  この三猿なのだが、これは子猿の彫刻であり、子供の時分には悪いことを見ない、悪いことを聞かない、悪いことを言わないようにするものだという教訓である。

 また『見ざる(人の短所を見ない)、聞かざる(人の非を聞かない)、言わざる(人の過ちを言わない)。最も大事なのは思わざる(人はその長所をみて悪く思わない)こそ勝るなりけれ』として、人のよい所を積極的に見ましょうという意味が本来のこの言葉の意味である。

 大変残念なことに、この言葉ほど本来の趣旨を曲解されて理解されている言葉もあるまい。

 私たちはこの言葉を、「自分にとって都合の悪いことには、見ても見ないことにしよう、聞こえても聞こえなかったことにしよう、さらに人前で口にすることは止めよう。(結果として他人から攻められて被害が及ぶから)」というように一般的に使っているのではないだろうか。

三ザル

 これは日本人の精神構造を端的に表現しているようにも見える。お上には逆らわない。事なかれ主義である。自分の身を守るための保身術、長いものに巻かれろ主義。

 確かにこうした気持ちは理解できる。理不尽な権力者や妨害するイケズな人間に対して、リスクを省みずただ闇雲に立ち向かうのは個人としては得策ではないかもしれない。中途半端な勇気は昔から「匹夫の勇」であり無謀なものだとされる。

 もともと農耕民族でおとなしく従順で特に権力者に歯向かう事は良しとしない国民性だ。何事もことを穏便に済ませることが美徳の日本人であった。

 しかし、いつまでもこのままでいいのだろうか?そろそろ、それも卒業しなければならない時がきたのではないか?

 『見ざる聞かざる』も、一個人の立場では理解できても、もし社会の全員が同様の対応を取ったとしたら、どうなるだろうか?改革など行えるものではない。

 年金制度の崩壊がいい例だ。社会保険庁の役人が我々のお金を無駄使いし、まじめに仕事もせず大切な記録を宙に浮かせてしまった。挙句に真面目にせっせとお金を払った人間に、自分たちの落ち度を棚に上げて30年前の領収書を持って来い、さもないと金は払わないぞと高圧的に脅しをかける。それでも「見ざる聞かざる」。

 政治家がどんなに金に汚く不正を働き私腹を肥やしても「見ざる聞かざる」。会社の上司が如何に理不尽なことを行おうとも、後で報復が怖いから「見ざる聞かざる」。などなど。

 改革を行ううえで上で一番困るのはこの精神風土だ。かつて本当にあった話である。大変優秀で頭の切れる、また器量も大きな人物がいた。しかし、自ら先頭に立とうとしない。

 飲み屋に行くと、切々と経営課題について舌鋒鋭く分析し、今こそ立ち上がるべきだと論じていながら、最後になると自分は関係ないと逃げてしまう。

 その時彼が言った言葉が「見ざる聞かざる言わざるが一番ですよ。言えば周りから叩かれ潰されるだけですからね。私にも家庭がありますから。」の一言だった。

 本来ならば『見ざる聞かざる言わざる』ではなく、真実を「見つめ」、人々の声に広く「耳を傾け」、本質を見抜いて時を得て「発言し」、お客様や相手の立場で深く「思い」、最後にもう一つ付け加えるならば、勇気を持って断固「行う」というのが本来のあるべき姿ではないだろうか?

 今の日本にとって本当の改革は我々の精神構造の改革こそ、その根っこにあるのだ。

(※2007年6月10日本ブログの記事を転載)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

※【改革支援サービス一覧】皆様の改革のお役にたちます。

※【改革無料相談】改革のご相談はこちらまでお気軽に。

« 【経営】松下幸之助告別式秘蔵VTR公開 | トップページ | 【名言】三猿の教えの本当の意味 »

名言・言葉」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 【経営】松下幸之助告別式秘蔵VTR公開 | トップページ | 【名言】三猿の教えの本当の意味 »

2019年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
フォト

オンライン状態

無料ブログはココログ