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2007年11月13日 (火)

【芸術】感動の映画『涙そうそう』

 久しぶりに感動する映画を見た。妻夫木聡と長澤まさみ主演の『涙そうそう』である。

 実はロードショーの広告を見ていて一度見てみたいなと思っていて見れなかったのだが、少し時間が出来たのでレンタルで借りてみることができた。

数年前、夏川りみが歌ってヒットした曲の実話を題材に映画化したものだそうだ。

『古いアルバムめくり
ありがとうってつぶやいた』で始まる名曲である。

沖縄の曲らしくさわやかで陽気なのだがどこか物悲しさが漂う。

どこかの音楽番組で『この曲は実際にあった実話をもとに作られた曲です。』と紹介されていたので、どんな話なのか気になっていた。

 物語は沖縄の那覇で自分の店を持つことを夢見て、市場や居酒屋で必死に働く妻夫木聡演ずる主人公のお兄さんの洋太郎と、成績優秀で離島から一人だけ那覇の高校に合格した長澤まさみ演じる妹のカオルの心暖まる、しかしちょっと切ない物語である。

 高校に合格し離島から那覇にやってきた妹のカオルは兄と二人暮らしを始める。二人は幼い頃、母親を病気で亡くし、親戚のもとで育った。

 しかし本当は二人は血のつながらない兄妹だった。兄は小泉今日子扮する母親の連れ子であり、妹のカオルはジャズの演奏に狂うヤクザな父親の連れ子であった。

 やがて父は家族を捨てて放浪の旅に出かけ、母は女手一つで幼い二人を育てるのだが無理がたたって他界してしまう。

残された二人は平良とみ扮するお婆あのもとで育てられ立派に成長する。

一足早く那覇にでた兄は長年の夢であった自分の店(飲食店)をもつために、昼は市場で配達の仕事をし、夜は居酒屋でバイトをしながら仕事を覚え必死にお金を貯めるのだった。

那覇市内の高校に入学するため、久しぶりに島から出てきた妹はすっかり娘らしくなっていた。幼いときから妹と二人で生きてきた兄は妹の親代わりでもある。

妹の高校の入学式についていって嬉しくてはしゃぐ姿は父親の姿と変わらない。

兄には琉球大学の医学部に通う彼女がいた。居酒屋で悪い男に騙されそうになっていたところを助けたのがきっかけで付き合い始め、妹が那覇に出てくるまではよく泊まりに来ていた深い間柄であった。

しかしあまりに仲のいい兄妹の姿を見て突然のライバルの出現に少し焼きもちをやく彼女であった。

そんな折りバイト先で知り合った中年の男に店を出してやるとそそのかされ騙されてしまう兄。多額の借金をかかえ苦境に立たされてしまう。

しかし、その後も挫けることなく、くさることなく苦しい肉体労働に耐えながら必死に借金の返済に努力する。これもすべて妹を思ってのことだった。

そんな折り付き合っている彼女の父親で病院を経営している医師が兄の前に現れ、このお金で借金を清算するようにと手切れ金を渡し娘と別れるように迫る。

しかし兄は意地とプライドできっぱりと申し出を断るのであった。

やがて妹は高校三年生の受験の夏を向かえる。三者面談で学校を訪ねる兄と妹。成績優秀な妹は担任の先生から琉球大学の合格が有望だと告げられる。親代わりの兄は自分のことのようにはしゃぐが、担任はこの夏が勝負だとも告げる。

妹の合格を祈ってさらに厳しい肉体労働で自分を痛め続ける兄。そして必死で自分のために苦労する兄のために少しでも助けになろうと、兄には内緒で受験勉強の合間にファミレスでのバイトに精を出す妹。

しかし兄の親友に内緒でバイトしているのを見られてしまう。

やがてお祭りの晩に浴衣で綺麗に着飾り兄と一緒に踊るが、偶然出会った親友が妹のバイトのことを兄に話してしまう。

家に帰り二人は言い合いになる。この大事な時期にどうして勉強しないのだと怒る兄。そんな考えを押し付ける兄が重荷でもう大人なのだから自分のことは自分で決めたいと主張する妹。
二人は気まずいまま別れてしまう。先に家に帰ってきた兄は妹の帰りを心配し玄関で朝まで待っていたが、妹はとうとう朝まで帰ってこなかった。

翌朝早く家に帰ってきた妹。心配で朝まで妹の帰りを待っていた兄だったが一言二言コドバを交わしたまま家の中に入ってしまった妹。二人は気まずいまま時間は流れた。

しばらくして妹の合格発表の日がやって来る。見事合格を果たした妹。周りの人たちすべてに妹の合格を我が事のように伝え喜びを爆発させる兄。借金もすべて返し終わって喜びは最高潮だった。

しかし次の瞬間、喜びに満ちた兄には妹の意外な決意を聞かされるのだった。兄のもとを離れ独り暮らしを始めたいという。前から決めていたらしく妹の決意は固かった。

突然の妹の独立宣言に戸惑いを隠せない兄。妹の心に何があったのかと心配する親代わりの兄。そんな兄の耳に妹の良くない噂が耳に入る。町のナイトクラブで中年の男と会っていた妹を見掛けたというのだ。

妹のことを案じた兄はとにかく真相を明らかにしようとナイトクラブへと向かった。

そしてそこで出会ったのは意外な人物だった。それは家族を捨てて家を出た義理の父親だった。相変わらずジャズに狂っていた。しばらく方々を転々とし最近この町に戻って来たらしい。

妹に変な虫でもついているのではという兄の心配は取り越し苦労だと判明し、とりあえずほっとしたのだった。

しかしその日以来妹の態度が妙によそよそしかった。奇妙に思った兄はジャズ狂いの義父から、彼が兄妹は実は血が繋がっていないのだと妹に告げたと聞かされる。そしてこれまで育ててくれた兄をそろそろ解放してやれと告げたと真相を聞かされた。

それを聞いた兄は思わず拳を振り上げ、どうして告げたのかと今までの溜まりに溜まった不満と怒りを義父にぶつけケンカが始まる。しかしヤクザな義父にはかなわない。顔に傷を追って家に帰る兄。

ぶっきらぼうな言い方だが義父は帰り際にいままで妹を立派に育ててくれた礼を述べる。

家では兄を待ちくたびれてテーブルで居眠りしている妹の姿が。いままで母親の遺言で妹の面倒を見るようにと言われていた兄。

しかしこの時は美しく成長した妹に、あってはならない『女』を感じてしまう。思わず妹の顔に手を伸ばそうとする兄。そして次の瞬間気配を感じた妹が目を覚ます。テーブルの上には兄妹の思い出を綴ったアルバムがあった。

我に帰る兄。罪悪感が胸に溢れる。しかし初めて女を意識した妹は美しかった。
やがて妹が我が家を出ていく日がやって来る。あの日以来お互いを一人の男と女として強く意識する日々が続いていた。

別れの日、妹は兄にお世話になったとまるで嫁に嫁ぐ娘のような挨拶を交わす。いつでもまた会えるよと笑っていうと『お兄ちゃんのこと愛しているから』と意味深長な言葉を残し、深々とお辞儀をして離れていった。最後に兄は二人の大切にしていたアルバムを妹に託すのだった。

それからしばらくは新しい生活に慣れるため互いに忙しかったが、やがて妹から久しぶりに一通の手紙が届く。

そこには自分たちが血が繋がっていないことは父親に会う前から知っていて、それを伝えたら兄が遠くへ行ってしまい、自分一人がとり残されるのではとの恐怖があって口に出さなかったとあった。

兄は今一度親代わりの気持ちに戻った。母親との約束を思い出したのだった。

二人別々の生活が始まって一年半がたった。島から成人式の案内が届く。来年は妹も成人式を向かえる。お世話になった皆さんに感謝の気持ちを伝えようと島に帰る決心をする。

そんな折り季節外れの台風が直撃する。独り暮らしの自分の部屋で怖くて怯える妹。嵐の猛威は容赦なく襲いかかり、大木が折れて崩れかかり無惨にも窓ガラスが割られてしまう。

もはや耐えきれない恐怖の中で突然兄が部屋の中に飛び込んで来た。長い間あっていなかった兄。しかしさすがに妹にとっては頼りになる存在だった。

とっさにわきにあった戸板で窓をふさぎ、カーテンを丸めて隙間を埋めてなんとか嵐を遮ることが出来た。
しかし、風邪気味だった兄は突然倒れ込んでしまったのだった。大変な熱だ。すかさず妹は救急車を呼び兄のかつての恋人が勤める病院に担ぎ込まれる。

まもなく診察結果が妹に知らされる。体に相当無理を続けたらしく重い病だと聞かされる妹。

その時看護婦が兄の急変を知らせに駆けつける。全員で病室に急ぐがすでに手遅れだった。安らかな顔で兄は亡くなっていったのだった。

兄の亡骸は故郷の沖縄に運ばれしめやかにお弔いが行われた。あまりにも早すぎる死。親代わりの妹の花嫁姿も見ることはなかった。なぜか葬儀に似つかわしくないさわやかな笑顔が一層哀しみをさそうのであった。

悲しみの涙にくれる妹。海岸で一人泣いている彼女を、きっとお母さんたちと一緒に天国で見守っているだろう慰めるおばあ。

やがて妹のもとに小包が届く。差出人は兄だった。中には妹のためにわざわざ仕立てた着物が入っていて一通の手紙が添えられていた。

『カオルへ』という出だしで始まった手紙は兄の愛情に溢れていた。小さな頃から親代わりとして面倒を見てくれた兄。いつも困ったことがあると助けに来てくれた兄。自分の分まで妹に食べさせてくれた兄。

最後は嵐の中に飛び込んで助けに来てくれた兄。

妹は兄が形見に送ってくれた晴れ着を見て感謝の涙がぼろぼろと流れ落ち、胸が一杯になった。

やがてドラマはクライマックスを向かえる。夏川りみの『涙そうそう』が流れ、妹が大切にしまっていたアルバムが一ページづつ二人の思い出をたどるようにめくられていく。

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『涙そうそう』

古いアルバムめくり
ありがとうってつぶやいた
いつもいつも胸の中
励ましてくれる人よ
晴れ渡る日も 雨の日も
浮かぶあの笑顔
想い出遠くあせても
おもかげ探して
よみがえる日は 涙そうそう
(『涙そうそう』作詩:森山良子、作曲:BEGIN、歌:夏川りみ)

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私は映画を見終わって素直に泣けてきた。久しぶりである。大変清々しい感動の涙であった。

妹のために何も見返りを求めない兄の心。そしてそうした兄の深い愛情の真の意味を知り心のそこからの感謝の気持ちで胸が一杯になる妹。

一枚一枚めくられる思い出の写真。兄の優しかった面影がまぶたに焼き付いて離れない。

しかし映画を見終わって改めて、この歌詞を味わうとさらに感動が深みを増すのである。

『涙そうそう』とは沖縄の言葉で『涙がぼろぼろこぼれでる』という意味だそうである。

私も久しぶりに感動の映画で『涙そうそう』となった。いい映画との出会いであった。

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