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2008年2月10日 (日)

【教育】我が子を天才に育てるコツ〜落合博満の名著「コーチング」

 かつて植木職人の名人と呼ばれる方のお話を聞いたことがある。

 このお話が我々人材育成や教育に携わる人間にとって大変興味深い。

 『植木というのは植えてから二年間は水をやったり、肥料をやったりと手をかけて育てます。』と。

 さらに続けてその本質を説いている。『二年経ったら、あとは全く手をかけることがなくなる。

 本来植木は自分自身で成長していく力をもっている。だからこちらがやることは‘見守る’こと。この愛情を持って暖かく見守ることが一番大事なことです。』と。

 さる2008年2月3日のブログ記事はもうお読みになっただろうか?幸田ヘンリー著の『天才エジソンの秘密 母が教えた7つのルール』について書いた訳だが、その中に天才を育てるための7つのポイントを書き記した。

 その中に『●ルール1 無条件の愛で包む』というものがあったが、これなどはまさに『子供を暖かく見守る』ということに深く通じている。

 そしてこの見守る、すなわちしっかりと観察し、そして困った時にはいつでも相談にのれるようにいつでも準備していてあげる。

 落合監督はこのことを誰よりも知っている。天才は天才を知り、また天才を育てる方法も心得ているのだ。

 『プロに入ってくるぐらいの選手になれば皆、基本的に素晴らしい素質をもっていて当たり前。

 あとは教えるこちら側の問題。才能を伸ばすも、つぶすも周りの指導者次第なのだ。』と落合監督は語っている。

 また彼自身が自分が受けた指導の中でも鉄腕とおそれたれ先日お亡くなりになられた、稲尾和久氏に心服しているのだ。

 彼はロッテ時代から面倒を見てもらっていた稲尾和久を師と仰いでおり、唯一彼が無条件で従う人物といわれる。

 落合監督が現役時代、室内練習場で長時間にわたるバッティング練習を終えたところ、落合の指が感覚を失い、バットから離れなくなってしまう事態になった。

 その時、物陰から姿を現し、指をゆっくりとバットから離してあげた人物が稲尾だった。稲尾は落合の練習をずっと見守っていたのである。落合の稲尾への私淑はこのときがきっかけだという。

 このことは、日本におけるコーチングの第一人者として知られる本間正人さんが提唱する最新の教育理論『学習学』(Learnology)の基本理念にあい通じる。

 つまり子供は本来自ら学びたい、成長したいという可能性と基本的な欲求がある。そこで型にはめる、ただそれだけでなく、こうした本人の可能性を伸ばしてあげるのが本来の教育であると。

 この教育の本質について書かれた落合監督の名著がある。私も指導者教育の必読図書として活用させていただいているのが下記の本である。

 この本は極めて痛快な本である。なぜなら普通のビジネス書と異なり、落合監督が自らの経験をつづったものなのだ。

 だから普通のビジネス書ならば『こうこう、こう育てなさい。』と言うところを逆に『手を加えてはダメだ。』と全く反対のことが書かれているのだ。

 さらに我々に馴染みの深いプロ野球の事例ばかりで大変分かりやすいのである。

 いずれにせよ、天才落合が綴った教育論の決定番。皆さんもじっくりその本質を味わって頂きたい。

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■『コーチング―言葉と信念の魔術』 落合博満 著(ダイヤモンド社):出版年2001年8月、ISBN 4-478-72021-5、価格1500円
落合博満〜コーチング

【目次】
はじめに〜三冠王を育てた“見ているだけ”のコーチング

第一章 教えるのではなく学ばせる
〜押し付けない。ヒントを与える。「自分で育つ」ためのコーチング

第二章 指導者とは何か
〜成果主義時代の今まさに必要とされる真のコーチ像

第三章 選手(部下)をダメにする選手言葉の悪送球

〜上司失格。若き才能や可能性の芽をつむ禁句集


第四章 組織の中で「自分」を生かす術
〜三冠王はこうして生まれた。結果を出し自分を高める方法

第五章 勝ち続けるために自分自身を鍛えろ!
〜仕事のプロとしての自覚と自信を手に入れるための「思考」


【出版社/著者からの内容紹介】
野球好きなら誰もが知っている名打者、落合博満によるコーチングの本。落合自身が初めて受けたコーチングの経験や自分が教えた経験をもとに、人を育て、伸ばすための心得やコツを説いている。
落合というと、とかく個人主義的なイメージばかりが強調されがちだが、実は現役時代の落合は、投手がピンチに陥ればすかさずアドバイスをしにマウンドに駆け寄ったり、同じチームの打者がスランプに陥っていれば相談に乗ったりと、コーチあるいは兄貴分としても重要な働きをしていた。結果、「落合効果」という言葉が生まれたほどだ。
本書では、その落合の名コーチとしての側面を垣間見ることができる。あくまで個を伸ばすことに主眼を置き、裏方に徹する姿勢や、短所を指摘するのではなく長所を伸ばすことに注力する方針、手取り足取りのやり方を否定し、選手の自助努力を促す姿勢などにマネジャーが学ぶことは多いだろう。
 また、個人が組織の中でいかにして付加価値を高め、能力を発揮していくべきかという点にも言及している。チームを何度も優勝に導き、自らも2年連続三冠王をはじめとする偉業を成し遂げた落合だけに、その言葉には説得力がある。
成果主義、雇用流動化の時代には、これまでのようなトップダウン式の教育・指導方法は通用しない。 本書は、現在注目を集めるコーチングの基本を説いた本として、「部下から質問されるまでは、じっと忍耐。部下自身が体でつかみ取るのを待つ。自分で考える事のできる人に育てる。」など、また上司と部下双方の視点を示した本として、意義のある1冊である。(土井英司)

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